本の概要
司会がタモリさん、山中教授でゲストに石原さとみさんと鈴木亮平さんを迎えたテレビ番組のNHKスペシャルシリーズ人体II遺伝子第1集、第2集を書籍化したものです。
さらにiPS細胞の山中教授とNHKのチーフ・プロデューサーの浅井健博チーフプロヂューサーとの特別対談が加えられました。
様々な世界中のDNAの研究の紹介や活用事例が主に書かれていて、特に面白いと感じたところを以下紹介していきます。
面白いと感じたところ
ヘビースモーカーの109歳
喫煙者は肺がんなど病気のリスクが高まり寿命が短くなることはよく知られていますが、そんな中でヘビースモーカーの109歳が紹介されていました。
ヘビースモーカーでありながら100歳をすぎても健康に生きられる人がいることは医学会の大きな謎の1つでしたが、トレジャーDNAの存在でこの謎が解明されたそうです。
トレジャーDNAとは専門用語ではありませんが、人類がまだ知らない宝物(トレジャー)のような情報、大切な働きをするDNAがたくさん眠っていることが最近のDNA研究から急速に明らかになっているそうです。
そこでたくさんあるトレジャーDNAのなかから、「タバコから肺を守るDNA」が発見されました。
このDNAを持っているかどうかで病気になるかならないかが決まり、早死にするか長生きするかが決まってくるようですね。
ずっとヘビースモーカーなのに長生きしてる人はなぜだろうと思っていたのでこれを知った時にはとてもスッキリしました。
両親から遺伝子を受け継ぐ際に70個の突然変異を起こしている
ハーバード大学の教授などを歴任したアイスランド出身のステファンソン教授の研究によると、「私たちは生まれるとき、父親と母親から半分ずつのDNAをもらうだけではありません。そこへ必ず、およそ70個の新たな突然変異が生じることがわかったのです。」とのことです。
20年もの歳月をかけ、アイスランド国民の半数以上のDNAを集めて一挙に解読することでこの驚くべき事実を発見したようです。
これには自分も心当たりがあり、両親はめちゃめちゃ運動好きというわけではないのですが、僕と姉は運動が大好きでこれは突然変異の一つなのではと思いました。
精子トレーニング
これはただ単に男性たちが健康になる事で精子を元気にしようというわけではなく、子作り前のいっときだけダイエットによって自らのメタボを改善。
同時に、精子の中の「メタボに関わるDNAスイッチ」を健康な状態に切り替えて生まれる子供に遺伝させようというものです。
従来の常識だとこんなことはあり得ないとされていましたが、最新の研究で子供に影響してくることがわかったみたいですね。非常に興味深かったです。
他にも
・猛毒のヒ素を解毒できるアンデス地方のチリ人
・一般的な糖尿病にならないDNA
・エイズにならないDNA
など面白い話があって書ききれないくらいでした。
本を読んで得られたもの
遺伝子やDNAに関する様々な知識と、自分が知らない興味深い世界中の研究を一冊の本で読めたことで読書の価値の高さを知ることができました。
よく読者は大事だ!素晴らしい!と言われていて、頭ではわかっていたもののそこまで実践していなかったので百聞は一見にしかずというやつですね。
自分の興味の有無が結構影響しそうですが、次の本を読む意欲湧きました。
読書レビューは以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございました🙏